「波」
- 盆出 夕子
- 2020年8月31日
- 読了時間: 1分
時を忘れる
緑と水の世界
疲れたこころを
鍼灸で
ととのえ
一晩
森の中で眠り
早朝
誰もいない
海へ

裸足で
砂をふむ
気持ちよさ
砕けた
ちいさな
貝殻たちが
波に
ころがる
美しさ

人が
この世に生まれ
悲しみも
喜びも
同じ波は
ひとつも
ない
大きな波に
飲み込まれ
倒れ
もがき
それぞれに
深い なにかが
湧いてくる
ゆらり
ゆらゆら
身を任せ
時の壁を
超える
豊かさを
すくいとれただろうか
なにかに囚われ こころの自由を 失うことも
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